往診日記

「高齢では特に慎重な投与を要する」薬

こんにちは、往診専門どうぶつ病院ローズローズアニマルの藤井です。

 

チワワのラムちゃん、いつも私をみるとこわ~い顔(飼い主さん曰く「デビル顔」)なのですが、今日はめずらしくかわいいお顔をしてくれました。

 

病気のせいで腫れていたお口が、最近追加した治療に反応してかややすっきりし、とってもかわいいおばあちゃんです。

昨日はがんばってお肉も食べてくれたそうで、来月の16歳のお誕生日までもう少し。点滴や痛い注射、苦いお薬、どれもじーっと我慢してくれますが、一時期はお薬がストレスすぎて体調をかえって悪くしてしまったこともありました。

 

人もペットも高齢になると、

  • 細胞内水分の減少:つまり脱水
  • 血清アルブミンの低下:つまり低栄養
  • 肝血流や肝細胞機能の低下:つまり肝臓の働きがおちる
  • 腎血流の低下:つまり腎臓の働きが落ちる

となるため、薬が効き過ぎたり長く残ってしまうことがあります

その一方で、年をとるとあちこちが悪くなってくるので、ひとつではなく一度に複数の病気の治療のための「多剤投与:つまりたくさんのお薬をのむこと」が行われがちです。

シニアには薬の効能だけではよみきれない、治療の効果や副作用があります。よく薬の能書には「高齢者では、特に慎重投与を要する」的なことが書かれているのはそのためです。

そのこそのこの治療の目標にむかって、オーダーメイドした治療をていねいに考えていかなくてはいけませんね。

 

ふじい
ふじい
利尿剤や下剤は、浮腫みや便秘を解消する大切な薬、ですがシニアペットでは脱水に注意しなければ危険です

 

いただいた写真です、トイプードルの源ちゃんは、こんなに素敵なアジサイをみながらお散歩楽しんだそうです。

うらやましいですね~。

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