往診日記

水も多すぎれば害ですのでご注意ください

こんにちは、往診専門どうぶつ病院ローズローズアニマルクリニックの藤井です。相変わらず暑いですねえ。

 

今朝ニュースをちら見していたら、熱中症対策やりすぎ病「水中毒」についてやってました。

めちゃくちゃ懐かしい響き・・・というのも、一時は牛の獣医師になるはずだった私にとっては、水中毒=子牛 だからです。

子牛が水を飲めない状態が続き脱水を引き起こし、その状態から一度に大量の水(体重の8%以上)を飲むことにより発症します。著しく薄い水分が大量に吸収されることにより赤血球が破壊されるので赤黒い尿となります。
軽症では一時的に赤黒い尿を排泄するだけで3~4時間で自然に治癒しますが、重症では肺に水が溜まり死亡することもあります。
この他、体温の低下、元気の消失、腹周りが膨れる等の症状が認められることもあります。
また、寒い時期にも、凍結などにより飲水が制限された場合に起こります。

NOSAI十勝ホームページより

早い話、水を飲みすぎて体液が薄まってしまうことによってさまざまな不具合が起きる病気です。

草食動物であり、胃がめっちゃくちゃ大きくなる牛はともかく、犬や猫そして人も普通にしていればなりません。ですが真面目な日本人ですから「こんなに暑いんだから飲まなくちゃ」とがんばって飲みすぎちゃうんですね。

人の場合血尿とかではなく、体液中のミネラルを失った熱中症と同じような症状がでるようです。犬や猫は水中毒…というか、消化器や心臓、泌尿器に負担が過剰になりいろいろ不具合が起こります。

 

ちなみに犬や猫はがんばる気はありません。がんばってしまうのは、飼い主さんです。

ペットにお任せの自由飲水であれば普通は飲みすぎません(多飲多尿となる糖尿病や内臓疾患は別)。しかしたまにいらっしゃる、スポイトやシリンジで水を飲ませることを習慣にしている飼い主さんは要注意です。これは飲ませすぎてしまいますよ。

人の一日必要水分量は2~2.5リットル。これをちまちま、コップ一杯くらいを2~3時間おきに飲むのが理想(のこりは食事などから摂取)です。運動したからと言って2リットルペットボトルを1時間とかで飲み切ってしまうのは危険なわけです。

犬や猫も体重当たりでだいたいの必要水分量が決まっています。いろいろな求め方がありますが、簡単なのは

1日飲水量 (ml)= 70 + 30 × 体重kg

です。3kg以下だと過剰になるので、70ではなく55くらいが適当です。シリンジなどで与えるのはこの1/10くらいずつですので、お気を付けくださいね。もちろん季節によって増えたり減ったりするので、これはあくまで目安、1~2割増えても問題ありません。

たまにきかれるペットの経口補水液については、簡単な作り方もあります。

 

先日往診したソラちゃん。しっぽ以外いまはほとんど真っ白ちゃんですが・・・

 

昔の診察券の写真とくらべたら、まったく違う!

でもどっちも可愛いですね。

 

同居犬の茶々丸ちゃん。なかなかうまく撮れないのです・・・実物はもっとかわいいんだけど。

 

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