往診日記

残暑の季節に栗はいかがでしょうか?

こんにちは、往診専門どうぶつ病院ローズローズアニマルクリニックの藤井です。

台風が近づいていますね、週末お出かけ予定の方はくれぐれもお気をつけ下さい。今日往診からの帰り道、いきなりどしゃぶりでびっくりしました。これに強風も加わるって…怖いですねえ自然災害。

 

さて、本日も患者さんからご質問いただいた内容がなかなか興味深かったのでご紹介します。

 

飼い主さん
飼い主さん
知り合いの肝臓の悪いわんちゃんが、栗を食べるようになったら、数値がよくなったそうなの。栗ってどうなのかしら?

栗、おいしいですよね。亡くなった祖父がよく仕事帰りに天津甘栗を買ってきてくれたことを思い出します。最近は「あまぐりむいちゃいました」みたいな、手軽に食べられるのものがあるので、長くてお腹がすくセミナーのお伴にたまに買っちゃいますね。

しかし、それは人間の話。犬や猫にはどうなのでしょうか???

ふじい
ふじい
最初に結論ですが、栗は犬も猫も食べても大丈夫です。

中医学(つまり漢方)で見ると「栗」は、胃腸を元気にして気を増やす力があるとされています。また血の巡りを良くして身体を温めてくれる温性の食べ物です。

一般的に栗や松の実、クルミなどのような堅い実は腎臓によい食べ物としても、また老化による腰痛や筋肉の弱りにも良いとされています。これ逆に考えると、腎臓が弱るとタンパク質代謝が滞るので、筋肉が落ちてしまうということにつながります。

そもそも栗は何かと一言でいうと、糖質の塊です。つまりとってもエネルギー源になってくれる、炭水化物でできています。そのため、しっかり加熱して消化しやすいようにしてあげれば、犬や猫にとっても良質なエネルギー源です。

また、栗はとてもバランスよく栄養素を含んでいますが、その中でもカリウムとビタミンB1を特に多く含んでいます。

  • ビタミンB1は、主に炭水化物の代謝を助けエネルギーをを作り出す、「疲労回復ビタミン」
  • カリウムは、ナトリウムの排泄を促進し、高血圧や動脈効果によい効果が期待できる
  • その他に、食物繊維やお肌によいビタミンC、細胞の成長を促進し、老化予防によいビタミンB2、アミノ酸合成や代謝を助けるビタミンB6、胎児の成長を助ける葉酸などなど

 

とっても栄養価の高い食べ物ですね。

また食べる時にはじゃまになる渋皮にはタンニンという強力な抗酸化作用を持つ成分が含まれているので、老化防止やがん予防などにもおすすめです。ですので、人が食べる時にはこの抗酸化物質がいっぱいの渋皮煮は手間はかかりますがデザートに最高ですね。

残念ながら、犬や猫には消化が悪いので渋皮はあまりおすすめできません

甘栗の形にまで加熱してしまうと、もともと持っている栄養素や組成はかなり薄れているかもしれませんが、特に肝臓向きの食材とはいえないまでも、かなり栄養価が高い良質なエネルギー源ではあります。食べすぎは肥満のもとになりますが、お知り合いのわんちゃんの体にはよく合っていたのかもしれませんね。

あー、中華街に甘栗買いに行きたい。

 

先日往診したととちゃん、まさかのコスプレを披露してくれました。

 

なんかやたらと自然(笑)。

 

とってあげたら、むしろ大興奮。もっとかぶっていたかったのかしら?

 

ちなみに素顔はこんなかんじ、このままでもじゅう~ぶんかわいい、ですよ。

 

 

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