往診日記

持病があったり高齢だったりするペットの災害対策

各地で大雨が続いていますね。九州のみなさん、心よりお見舞い申し上げます。福岡でのセミナーに参加していただいた方々が被害にあわれていないか・・・心配です。

 

数年前九州の大学病院で研修していたころ、熊本地震がありました。

人はもちろんですが、ペットたちの避難が難しく、また動物病院の被害も大きく、近隣の獣医師会や大学が集まって物資を送ったり患者(ペット)の受け入れを行いました。

 

その時感じたのは、やっぱりペットを守ることができるのは飼い主さんしかいない、ということです。災害時は人が大きなパニックになりますので、ペットは二の次になります。その時になってからの準備はどうしても難しいのです。

「同行避難」という言葉もありますが、どんな場所であっても動物が苦手な方や動物にアレルギーをお持ちの方、様々な方がいます。「ペットだっていいんでしょ」とふるまうよりも、少しでも迷惑をかけないように日頃からできるだけ準備しておきたいことをご紹介します。

 

  • ケージ内で(できればお利口に)過ごせる

避難所では基本的にケージに入っている事が求められます。普段からおやつなどを使ってケージに入ることを嫌がらないように訓練しておきましょう。お留守番やお出かけ時に慣れていれば、避難所でも落ち着いて過ごせるかもしれません。

 

  • いろいろな環境に慣れさせる

普段あまり散歩にもいかずお家の中で過ごしているペットは、災害時や避難所でのストレスがより大きくなります。機会を作っていろいろな場所へ行き、音や匂い・視覚などの刺激を経験させましょう。

 

  • 避難場所のチェック

ご自宅の近くの避難場所を確認し、実際行くとしたら・・・を想像してみましょう。通る予定だった道が通れない、ことがあるかもしれません。その時グーグルマップは繋がらないかもしれません、他のルートも考えておかなきゃ、ですね。

 

また、ぜひご自宅に準備しておいてほしいものは以下のものです。

  1. 1週間分のフードと水、おやつ(ウェットフードは水分もとれておいしいのでおすすめ)
  2. フードや水入れ
  3. ケージ、リード、小型犬や猫はリュックやショルダータイプのものは一緒に動きやすい、中型・大型犬は足場の悪いところでケガをしないようソックス
  4. トイレ用品(ペットシーツ・猫砂・マナーパッド・オムツ )
  5. 持病の薬(できれば1週間分)
  6. お気に入りのおもちゃ、タオル、猫は洗濯ネット
  7. 狂犬病・ワクチン接種または抗体価証明書
  8. はぐれてしまったとき探せるようペットの写真

 

シニアペットの飼い主さんにしてみれば、こんな高齢のペットちゃんを同行するなんて!ととても不安になると思います。しかし、常にお家が安全とは限らず、まさか置いていくなんて・・・できませんよね?

マイカーでの車内泊にしろ、思いがけないケガやストレスからペットを守るためやはりケージには慣れておく必要があります。

あせる必要は全くありません、少しずつでも避難安全対策を行ってくださいね。

 

 

先日往診日に18歳の誕生日をむかえたひめちゃん。

 

飼い主さんが、ひめちゃんのケーキを用意されていました!おいものショートケーキです。

 

去年は画像の通り、ケーキに夢中だったようですが・・・さて今年はどうでしょうか~。

 

RELATED POST