こんにちは、往診専門どうぶつ病院ローズローズアニマルクリニック、獣医師のふじいです。
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自分は獣医師ですが、お医者さんの雑誌やサイトをぱらぱらっとのぞくことがあります。
少し前になりますが4/10に日本臨床栄養代謝学会が「COVID-19の治療と栄養に関する栄養学的提言」というのを発表しました。
(「COVID-19の治療と栄養に関する栄養学的提言」を基にMedicalTribune編集部作成)
すでによく知られているように、新型コロナウイルスによる感染症は重症な呼吸器障害や、長期の集中ICU治療が必要になったり、とくに高齢者や基礎疾患を持つ患者さんでは死亡率が高いことが報告されています。
「このような高リスク症例では多くの場合、背景として低栄養ならびに骨格筋の減少や機能低下(サルコペニア)の存在があり、それがICUでの治療を長引かせ、時には残念な結果を招くことにつながることが指摘されている。一方、生体の免疫力は栄養状態によって支えられており、低栄養で特に筋肉量が減少した人あるいは動物では、明らかに細菌やウイルスなどの感染症に対する免疫能が低下していることが知られている」と報告。栄養状態を良好に保つことが、COVID-19の治療や予防に役立つとしている
・・・そりゃそうです、当たり前ですよね。
ちゃんとごはんを食べないと、身体が弱っちゃうことくらい誰だって知っていることです。
ちょっと小難しく見えますが、上の表もざっくりまとめると
- 患者の状態をチエックして、もし栄養状態が悪いなら、カロリーやらアミノ酸やらミネラルやらをバランスよくとるような指導をする
- 隔離とか待機とかも運動や日光浴をする
- ふだんのごはんで足りないぶんは、栄養補助商品で追加する
- 食べられないときは、どこかから(胃や腸への栄養チューブ、静脈への栄養点滴)入れる
- 誤嚥注意、感染注意
- なんだかんだいいつつ、治療や予防がない新型コロナウイルスには、元気な時から栄養状態をよくしておくことがおすすめ。「予防は最大の治療」!!
はい、これです。
具合が悪くなってから慌てても、下手すると遅いかもしれません。
いつもの「変わりないです~」の元気な時から、ぜひ人も動物も栄養状態に気を配り、病気を予防することが大事なわけですね。
シニアで病気とわかるとやたらと早くあきらめてしまうのか、もう好きなものを好きなだけ食べて~みたいな飼い主さんもいらっしゃいますが、ちょっと待ってください(;´・ω・)なことがほとんどです。
栄養はそんなすぐにはくずれません、また気を配ることで取り戻すこともできるのです。
そういうときのために、動物病院があるのですよ☆
こういうのは食べない、というのも気づかれていない原因があるのかもしれません。また、苦労して手作りされていたり計算されているものが、意外な便利商品一発で解消することだってあります。
ネットの世界でさまよっているよりも、かかりつけの獣医師に相談するほうがよっぽど早いかもしれません。
さて、先日お伺いしたビビちゃん。
いつも朝往診するためたいてい寝起きのタイミングなので、いままでビビちゃんがごはんを食べているところをみたことがありませんでした。
そうしたら、飼い主さんが大好きな鶏肉を食べているところを撮っておいてくださいました。
おや、いまも用意してくれているのかな(きょろきょろ)
なかったよ~(がっかり・・・)
2001年生まれのビビちゃん、来月はなんと19歳です(∩´∀`)∩
ふつうのごはんも食べていますが、体重減少や筋力低下をすこしでも防ぐため、積極的にいろいろと食べてもらっています。
いろいろな病気とお付き合いしているので、投薬やケアなど飼い主さんのご苦労はたくさんあるはずですが「こんなに長生きしてくれているから」と優しさあふれる愛情で毎日が幸せなビビちゃん。
いっぱい食べてもっと長生きしようね。